コロナウイルスでウイルス予防が当たり前になった世の中。
緑茶に多く含まれている「カテキン」には抗ウイルス作用があることが知られています。毎年猛威を振るうインフルエンザにも効果があるのだとかも言われています。
今回は緑茶がウイルス対策になるのか紹介していきたいと思います。
カテキンの抗菌、殺菌作用でウイルスの活力を抑える!
お茶に含まれるカテキンには、高い抗ウイルス作用や殺菌作用があります。そのため、風邪やインフルエンザなどに有効だとされています。
今回はインフルエンザを例に紹介していきたい思います。
インフルエンザに効果があると理由は?
飲料メーカー伊藤園が、静岡県立大学薬学部と共同研究で、緑茶に含まれる「カテキン」に抗ウイルス作用があり、緑茶を飲むことでインフルエンザの予防に期待ができると発表しました。
緑茶の主要成分である「カテキン」には、抗菌・抗ウイルス作用があることが知られています。インフルエンザウイルスについても、「カテキン」を用いた実験でA型およびB型インフルエンザウイルスの感染を抑制することが確認されています。
インフルエンザウイルスは、A・B・C型に分類され、それぞれに紐付く形でさらに複数の型が存在しています。
毎年、それらのどれかが流行するのですが、それ以外に10年から40年の周期で、全く新しい型の“新型インフルエンザウイルス”が出現しています。“新型インフルエンザウイルス”は、ほとんどの人に免疫がないので、世界規模で大流行(パンデミック)を引き起こすことがあります。伊藤園は、緑茶が“新型インフルエンザウイルス”に対しても有効であるかを確認するため、静岡県立大学薬学部の鈴木隆教授と共同研究を行いました。
研究では、「カテキン」の種類の一つであり、緑茶の中に最も多く含まれる“エピガロカテキンガレート”を使用し、培養細胞にて2009年から2010年にかけて大流行した1) 新型インフルエンザウイルス(H1N1型)を用いて感染抑制力を評価しました。その結果、“エピガロカテキンガレート”は、抗インフルエンザ薬で用いられる“アマンタジン”と呼ばれる成分よりも低い濃度で、新型インフルエンザウイルスの感染を抑制しました2) 。さらに、緑茶に含まれる「ストリクチニン」と呼ばれる「カテキン」以外のポリフェノールでも同様の研究を進めました。「ストリクチニン」は、抗アレルギー効果が期待される機能性成分です。その結果、先の研究で用いた“エピガロカテキンガレート”の効果を上回る感染抑制力を確認することができました2) 。
伊藤園 レポート03
緑茶成分によるインフルエンザ予防
~新型インフルエンザの感染も抑制~
緑茶は飲んでもウイルス撃退に効果あり?
風邪やインフルエンザ予防として、緑茶でうがいをする方法は広く認識されていますが、飲んでも効果はあるのでしょうか?実は「効果がある」という研究結果が報告されています。ただ、これはあくまで予防です。風邪やインフルエンザが流行る前からこまめに毎日飲むことをおすすめします。
茶カテキンのインフルエンザ予防の効果を最大限にするには?
いつもより熱めのお湯で淹れることでエピガロカテキンガレート(EGCG)の濃度を高めることができます。熱いお湯で抽出したあとは冷やしても成分は変わりませんので熱いまま飲む必要はありません。
終わりに
カテキンは急須に淹れたお茶だけでなくペットボトルの緑茶にも含まれます。普段からお茶をこまめに飲むようにすることでインフルエンザや風邪の予防のポイントです。普段から緑茶を飲む習慣を始めてみてはいかがでしょうか。