淹れたお茶の液は、約99.7%がお湯で溶出成分は0.3%くらいです。
このことから、お茶を淹れる時につかう水が、お茶の味を左右することが判ります。
どれほど上級のお茶を使っても、水が悪ければお茶は台無しです。
では、おいしいお茶を淹れるにはどういった水がいいのでしょうか。
軟水?硬水?
私たちが口にする水には、軟水と鉱水の2種類があり、水の硬度によって分けられています。
硬度は。含まれているカルシウムイオンとマグネシウムイオンの量によって決まり、アメリカ硬度とドイツ硬度があります。水1ℓ中に含まれるカルシウム、マグネシウムの量を炭酸カルシウムの量に換算するアメリカ硬度が一般的で、日本ではアメリカの硬度を使用しています。硬度100未満を軟水。100以上を硬水としており、日本の水は軟水です。ヨーロッパなどでは軟水が多く。世界の国や地域によって硬度がそれぞれ違います。
一般にお茶は軟水が適していると言われます。
では、人口のモデル硬水で実験するとどのような結果になるのでしょうか?
ある研究によると蒸留水にカルシウム塩やマグネシウム塩を添加して作った様々な硬度のモデル水で煎茶や玉露を淹れると、カルシウム添加水、マグネシウム添加水のいずれも硬度10~50のものが味や香りで高い評価が得たそうです。硬度50以上では「香りが乏しい」「おかしな味がする」などと低い評価がでたそうです。【小澤良和氏ら発表】
実際の水は、モデル硬水のように単一の物質が硬度を決定するものではありませんが、使用する水の硬度にも気を配る細かさが大切です。
硬水でも、沸騰させることによって硬度が下がるもの(一時軟水)もあるため、お茶を淹れるときは必ず沸騰させたお湯を使うのがおすすめです。なお沸騰させても硬度が下がらない(永久硬水)もあります。
美味しいお茶を飲むためにはお湯の温度だけでなく種類にも気を遣うことも大切ですね。